まだ、工房もないため現段階でできることを少しづつ行っている。
今やっていることは燻製の勉強だ。
書籍で勉強しようかと思ったが、燻製の科学を解説している日本語の書籍がほぼ存在しないため、海外の情報を漁っている。
一応、海外には燻製の科学をまとめたレビューがあるのだが、けっこういいお値段がする。
論文段階のものであればオープンアクセスで無料で読めるものも多いため、そちらから手を付けている。
いやあ、それにしてもAIの進歩がすさまじい。
AIに論文を読み込ませれば翻訳と要約を同時にやってしまうもんだから、英語が苦手な私のような人間でも海外の論文に手を出せてしまう。まさに革命的だ。
さて、話は逸れたが色々調べていく中で見えてきたことがある。
そもそも「風味」とは?
「味」と「香り」と「風味」は同じではない
風味と聞いて何を想像するだろうか。
「味」との違いが分からない方も多いのではないだろうか。
分かりやすい実験が、S&Bのホームページで紹介されている。
簡単に説明すると、
カレーの具材の煮汁(ルウ無し)を、
・A:何もしない紙コップ
・B:ルウを外側にこすりつけた紙コップ
の二つで飲み比べるというものだ。
サンプルAとBの違いは、カレーの匂いがするかどうかだ。
結果は、97.1%の人がサンプルAとBの風味に差を感じたという。
ここでいう「風味(flavor)」とは
つまり、風味とは味と香りが合わさって感じられる感覚のことを言う。
Aは味、Bは風味を体感できる疑似装置だったというわけだ。
まあ、この辺りは諸説あり、口から入って喉の奥から鼻に抜ける香りを風味と呼んだり、味+香り+食感が風味だとする説もある。
燻製の風味を作っているもの
ここでは、風味=味+香りとして扱う。
とすると、燻製の風味とは、大方
食材そのものが持つ風味+燻煙の香り
ということになるだろう。
まあ、単純な足し算というわけでもない(Sérot et al. 2009)のだが、ここでは割愛する。
そして燻煙は、味そのものにはあまり影響を与えず、香りの部分を大きく左右しているらしい、ということも論文を読んでいて見えてきた。(Rizzo 2022)
つまり燻製の風味づくりとは、実質的には「香りをどう設計するか」の話に近い可能性がある。
というわけで次回は、煙を構成する化学物質について触れてみたいと思う。


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