そもそも、煙とは?
そもそも煙とは何なのか。
実際、私も記事を執筆するまで強く意識したことがなかったので調べてみた。
・気体中に固体または液体の微粒子(10µm程度未満)が浮遊している状態。(wikiより抜粋)
・静電気力で安定化された、連続する空気・蒸気相中の液滴のエマルション Horner (1997)
・有機物の燃焼によって生じる、微小な固体・液体粒子を含む気体生成物 Gross et al. (1967)
などなど。
つまるところ煙とは、「空気中に漂う微粒子の集合」といった解釈は共通していそうだが、細かい解釈はその分野によって微妙に異なるようだ。
そしてこれらの解釈は”目に見える白い煙”を指していると思われる。
実際、燻製における煙も、”もくもくとたちこめる白い煙”をイメージするが、実は燻製において重要なのは目に見えている微粒子ではなく、目に見えていない”気相(ガス)”の方だったりする。(J Ruszらの実験による)
煙にはどんな成分が含まれている?
では実際、燻製の煙の中には何が含まれていて、燻製において重要な物質は何なのか。
木材が熱分解するうえで生成される成分は300種類以上とする研究結果もある。(Zhang, 2020)
その中でも特に、木材に含まれるリグニンが熱分解される際に生じる
・グアイアコール
・シリンゴール
に代表されるフェノール類の一部が、燻製らしい、スモーキーさの核を担っているとされている。(Sérot 2004/Cardinal 2006)
他にも、セルロース系が分解されて生じるカルボニル、糖分解系は、香ばしさ、甘さを担っているとされる。(Vazquez 2025)
このような化学物質が複雑に絡み合い、燻製の深い香りを作り出しているのだが、これらは微粒子層を除去しても付与される、気相(ガス)由来の成分なのだ。
燻製の香りは、設計できるのか。
ここまで調べていると、疑問に思うことがある。
「燻製の香りは、ある程度戦略的に設計可能なのでは」
実際、煙に含まれる化学物質は、
・熱源温度
・木材種
等によって変動があることが複数の研究によって知られている。
そしてその付着量も燻製時間などによってコントロール可能なのは複数の実験や経験則的にも知られている。
これらの変数をコントロールして、意図する燻製を設計することができれば…というのが現段階での目論見だ。
次回は、それらの変数について少し深堀りしてみたい。


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